
暴動があったブラジル・マナウスの刑務所の近くで2日、警察が設けたチェックポイントに集まった収容者の親族たち=ロイター

ブラジル北部マナウスの刑務所で1日午後、麻薬組織間の対立を背景とした受刑者による暴動が発生し、56人が死亡した。混乱に乗じて184人が脱走。暴動は2日朝になって鎮圧されたが、脱走者のうち144人がまだ見つかっていないという。公安当局が2日、記者会見で明らかにした。
地元メディアなどによると、暴動はサンパウロを本拠地とするブラジル最大の麻薬組織と、地元マナウスの組織に所属するメンバー間で発生。報復が目的と見られ、多くの遺体は首を切断されていたという。暴動は1日午後に始まり、17時間にわたって続いた。
今回の死者数は、ブラジルの刑務所で起こった暴動としては1992年にサンパウロで111人が死亡した事件以降で最多。2004年にはリオデジャネイロで31人が死亡、10年にも北東部マラニョン州で18人が死亡する騒ぎがあった。
ブラジルの刑務所は過剰収容が問題化しており、今回の暴動があった建物には定員454人に対し1224人が収容されていた。(サンパウロ=田村剛)