24日に退任するNHKの籾井勝人会長は4日、NHKホール(東京都渋谷区)で開いた職員向けの年頭あいさつで、任期中の言動で混乱を招いたと謝罪する一方、公共放送として圧力に左右されず、自主的な判断による番組作りをしてほしいと呼びかけた。
籾井会長は3年前の就任当時を振り返り、会見などでは「できるだけ率直に語りたい」との思いで臨んだが、「ご承知の通り大変混乱が起こり、職員の皆さんに誠に申し訳ないと思っている」と述べた。
また「数え切れないくらい読んだ」とする放送法について、「私たちを律すると同時に、いかなる圧力や働きかけにも左右されず、公正で不偏不党、自らの責任でニュース番組を作るという、放送を守る法律だ」と言及。「NHKの自主的な判断が全てに最優先する。矜持(きょうじ)をもって独自の判断を実行していってほしい」と語った。
また、昨年籾井会長ら執行部が提案しながら経営委員会が了承せず、見送られた受信料値下げについて、任期中に受信料収入が過去最高を記録したことに触れつつ、「(受信料の)支払率が上がれば、その分視聴者にお返ししていく。これは大変大事なことで、今後お忘れなくやっていただきたい」と指摘した。(滝沢文那)