「テスラコイル」を使って光らせた蛍光灯で、宇宙人の人形を照らす木下次男さん=福島市飯野町
福島市飯野町にある千貫森(せんがんもり、高さ462メートル)。周辺はUFO(未確認飛行物体)の目撃情報が多いことで知られる。
この町のUFO研究家、木下次男さん(69)は「今年こそ宇宙人に会いたい」と語る。自宅に隣接した約3坪の「研究室」には超常現象や宇宙関係の本がずらり。仕事がない日はここでUFOに思いを巡らす。
すべては、あの日がきっかけだった。
1972年、25歳の夏だった。県中部の安達太良連山を仲間と歩く途中、ヘルメット型の物体が箕輪山頂の手前に現れた。1円玉のような少し鈍い銀色。空飛ぶ円盤は空中で約30秒間静止し、目をそらした瞬間に消えていた。
「時計、ブリキのおもちゃ、鉱石ラジオ。あらゆるものを分解して仕組みを解明してきた僕にとって、これは宇宙からの宿題だと思ったんです。自然の不思議を探究しろ、と」
当時、木下さんは福島市内にある工業磁石の工場でエンジニアとして働いていた。合間を縫い、独学でUFOの研究を始めた。どうやって動き、止まり、瞬間的に消え去るのか。そして、なぜ現れるのか――。物理学や古代史などの書籍を読みあさった。
遭遇から6年後の78年、退職…