愛知県一宮市で昨年10月、スマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」をしながらトラックを運転し、小学4年の則竹敬太君(当時9)をはねて死なせたとして、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の罪に問われた会社員川合信右(のぶすけ)被告(36)=同市=の初公判が19日、名古屋地裁一宮支部であった。川合被告は起訴内容を認めた。
「運転中にポケモンGO」 トラックにはねられ小4死亡
検察側は冒頭陳述などで、川合被告は昨年10月26日午後4時10分ごろ、アイテムを入手しようとポケモンGOをしながらトラックを運転し、信号のない市道交差点で則竹君をはねたと指摘。それまでに集めた約90種類のモンスターのうち、約8割は運転中に獲得したもので、事故当日も約30体のキャラクターなどを手に入れていたと述べた。
警察庁によると、ゲームが配信された昨年7月22日以降、同年12月14日までに、ポケモンGO関連の人身事故は全国で計29件発生し、5人が死亡している。
■「反省や謝罪伝わってこない」
被害者参加制度を利用した則竹敬太君の両親は、則竹君と一緒に裁判を聞こうとの思いから、遺品の眼鏡と事故でゆがんだ水筒を持参した。父親の崇智(たかとし)さん(46)は公判後、「被告と一度も目線が合わず、反省や謝罪は伝わってこなかった」と話した。「家族が同乗した時は運転の危険を感じなかった」という川合信右被告の妻の証言を聞き、「自分の家族は守るのに人の子は殺していいのかと思った」と語った。