ブラジルで、多数の政治家や企業幹部らが関わった大規模汚職の捜査を担当してきた最高裁判事が19日、飛行機事故で死亡した。テメル大統領ら大物政治家の関与を挙げた企業幹部らの供述について、2月にも証拠としての信用性の有無を示す見通しだった。突然の事故死に、同国ではその不自然さを指摘する声も上がっている。
報道によると、死亡したのはテオリ・ザバスキ判事(68)。南東部の町パラチに向けて小型機でサンパウロの空港を離陸して約80分後、リオデジャネイロ州の海に墜落。当時は激しい雨が降っていたという。
ブラジルでは国営石油会社を舞台とした大規模な汚職事件が発覚し、100人以上の政治家や企業幹部らが捜査対象になっている。政治家の捜査には最高裁の判断が必要で、ザバスキ氏は建設大手オデブレヒト社の幹部ら数十人分の供述内容の検討を進めていた。中には、テメル大統領が不正に関わったとする供述も多数含まれていたとされる。
事件は今後、別の最高裁判事に…