短大生4人による英語の授業=昨年12月、神奈川県秦野市の市立北小学校、杉山麻里子撮影
小学生に英語をどう教えるか――。5、6年生での英語が2020年度から正式な教科になるのを前に、英語を教えられる教員を育てる取り組みが広がっている。18年度からは一部の学校で先行実施されるが、英語教育を専門的に学んだ小学校教員は少なく、文部科学省や自治体のほか、大学も対策を急いでいる。
「He is an astronaut.What does he ride?(彼は宇宙飛行士です。何に乗っていますか)」。昨年12月、神奈川県秦野市立北小学校の4年生の教室。上智大短期大学部(同市)で児童英語教育を学ぶ学生4人が、絵のパネル12枚を見せながら英語で尋ねる。
絵は、正解のロケットのほか、自転車や魔法のじゅうたん、新幹線など。「Rocket(ロケット)」。児童らが答えると、間髪入れず学生が「Which is faster,rocket or airplane?(ロケットと飛行機、どちらが早いかな)」。日本語は使わず、やりとりはすべて英語だ。
秦野市は同短大と連携し、09年から年数回、市内の全小学校で学生らによる授業を行ってきた。当初は外国語活動の時間を充実させるのが目的だったが、今は英語の教科化に向け、見学する教員に指導のコツをつかんでもらうことも狙う。
学生を指導する同短大の狩野晶子准教授(外国語教育)によると、当初は教員から「日本語を使ってもいいのでは」「単語の読み方をカタカナで示したい」といった声も出た。だが最近は「英語で何を言っているのか、児童が推測して答えていた。想像力を使う経験になって良い」など前向きな反応が目立つという。
北小で4年生の担任を務める板垣航先生(26)は「ゲームを効果的に採り入れるなど、子どもたちが楽しく英語に触れるヒントをもらっている」と話す。
英語が教科になると、現在の外…