政府は23日午前、天皇陛下の退位をめぐる「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長=今井敬・経団連名誉会長)が11日に開いた会合の議事概要を公表した。論点整理に向けた最終調整の会合で、いまの天皇陛下に限って退位を可能とする特例法の支持が相次いだ。23日夕、安倍晋三首相も出席する会合を開き、議論を反映した論点整理を公表する。
天皇陛下の退位をめぐる議論
11日の会合では、「特別法は、国会でその都度国民の意思を反映して、状況に応じた慎重な審議ができる」「今上陛下が退位される事情を法案に詳細に書き込めば、後代恣意(しい)的に運用されることを避けることができる」など特例法に積極的な意見が出た。
退位を恒久制度とすることには慎重論が目立った。ある出席者は「将来のすべての天皇を対象とした(退位の)個別的・具体的要件を規定することは困難。一般的・抽象的な要件を定めた場合、時の政権がその要件を恣意的な判断を正当化する根拠に使われるのではないか」とした。
退位の客観性のため、皇室会議の議決が必要とする案には「白紙で退位にかかる判断を担わせることは困難」と否定的だった。