乾燥大麻を沖縄県石垣市の自宅で持っていたとして大麻取締法違反(所持)罪に問われた元俳優の高樹沙耶(本名・益戸育江)被告(53)は、23日に那覇地裁であった初公判で「私のものというのが違う」と起訴内容を否認、無罪を主張した。更年期障害や抜歯による痛みで「去年は10回未満使った」と使用は認めた。
高樹被告「私のものであるというのが違う」 無罪を主張
法廷で高樹被告は、紫色の薄手のブルゾンに、オリーブ色のズボン姿。終始背筋を伸ばし、同じ罪に問われ初公判に臨んだ会社役員森山繁成被告(58)に時折、笑顔を向けた。
高樹被告は被告人質問で、大麻は同居していた森山被告の狭心症の治療用で「森山さんの所有物」「1人で使ったことはない」と述べ、自宅のどこにどれだけ保管していたかは知らなかったと主張。口裏合わせではとの検察側の問いには「共同生活のルールの一つだった」と話した。
起訴状によると、高樹被告と森山被告は昨年10月25日、石垣市の自宅で乾燥大麻約55グラムを所持していたとされる。森山被告は「すべて私の大麻」と起訴内容を認めた。
高樹被告は1982年、俳優として映画でデビューし、テレビドラマなどで活躍。2012年に石垣市に移住し、宿泊施設「虹の豆・浮世離れ」を運営していた。16年7月には参議院選挙(東京選挙区)に新党改革から立候補し、「医療大麻の研究推進」を訴えていたが落選した。
2人と同じ罪で起訴された無職小見祐貴被告(26)の初公判は25日に那覇地裁である。(小山謙太郎)