島根県立大1年の平岡都(みやこ)さん(当時19)の遺体が2009年11月に広島県内の山中で見つかった事件で、松江地検は31日、遺体発見直後に交通事故死し、容疑者死亡のまま殺人容疑などで書類送検された会社員矢野富栄(よしはる)容疑者(当時33)を不起訴処分とし、発表した。島根、広島両県警の合同捜査本部は同日解散し、殺害動機など真相は不明のまま捜査は終結した。
女子学生殺害、真相は闇 警察「無駄な捜査一つもない」
島根の大学生殺害、連れ去り直後か 当日夜に遺体撮影
合同捜査本部によると、矢野容疑者は09年10月26日午後9時16分ごろから深夜までの間、島根県浜田市や隣接する同県益田市周辺で平岡さんを窒息させて殺害し、同市の自宅で遺体を切断。広島県北広島町の臥竜山に遺棄した疑いがある。矢野容疑者のデジタルカメラなどから遺体や文化包丁などの画像データが確認されていた。
矢野容疑者は遺体発見2日後の11月8日、山口県内の中国自動車道で乗用車を運転中、事故を起こして死亡した。合同捜査本部は昨年12月20日、矢野容疑者の関与した疑いが強まったとして、殺人や死体損壊、死体遺棄の疑いで松江地検に書類送検した。
松江地検の吉浪正洋次席検事は「証拠を検討した結果、被疑者の単独犯による犯行であることは間違いない」と述べた。