長崎市の市道に止めていた車内で、元夫からのストーカー被害を警察に相談していた長崎県諫早市多良見町、パート従業員野中千晶(ちあき)さん(28)が刺されて死亡した殺人事件で、元夫が野中さんに対して危害を加えるという趣旨の「LINE(ライン)」メッセージを送っていたことが、捜査関係者への取材でわかった。
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捜査関係者によると、1月28日発生の殺人事件の捜査の過程でLINEの記録を調べたところ、元夫(30)が離婚後、野中さんに対して危害を加えるという内容のメッセージを送っていた。県警は、こうしたやりとりが野中さんの相談の背景にあったとみて調べている。
野中さんが初めて地元の諫早署に相談した昨年11月以降、署は野中さんから、電話やメールといった具体的なつきまとい行為についての相談は受けていなかった、と説明している。
野中さんは1月28日、長崎市三景台(さんけいだい)町の市道に止めた軽乗用車の運転席で血を流した状態で見つかった。腹部には多数の傷があった。足元にナイフが落ちていたことなどから、県警は事件とみて捜査。周辺で聞き込みをしたところ、元夫が近くの自宅で首をつっており、搬送先で死亡が確認された。
野中さんは昨年11月、諫早署に「元夫が家に来るかもしれない」と相談し、署はストーカー事案として受理。県警は、元夫が野中さんを襲った後に自殺した可能性があるとみている。(真野啓太、田部愛)