破損した自転車の構造
折りたたみ式自転車で走行中、サドルを支えるポールが折れて重傷を負ったとして、米国籍の男性(54)が販売元(東京都)と輸入元(神奈川県)の2社に1億円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。3日に第1回口頭弁論があり、両社は争う姿勢を示した。
訴えたのはレイモンド・ジョンソンさん。訴状などによると、2010年11月に都内の店で、サドルを支えるポールが長い折りたたみ式の自転車を購入。13年5月に走行中、そのポールが突然折れ、左足首の骨を折る大けがをした。ダンサーや振付師としての仕事ができなくなったと訴えている。
記者会見したレイモンドさん側は「両社は事故を消費者庁に報告しておらず、事故が起きる危険性が世間に公表されていない」と提訴の理由を説明した。代理人によると、輸入元が検査機関に委託した調査では、「標準体重(65キログラム)を超える人が乗ってはいけないものではない」としつつ、説明書に示された標準体重を上回る負荷や、サドルの高さが限界よりも高い位置で固定されるなどの使用状況が原因である可能性に言及。一方で、ポールの構造に問題があった疑いもあると指摘しているという。
輸入元は弁論で「原因を検証中」と述べ、販売元は「裁判で当社としての主張をつくしていく」とのコメントを出した。(塩入彩 塩入彩)