河村たかし氏
名古屋市の河村たかし市長(68)は、4月の名古屋市長選に3期目を目指して立候補する意向を固めた。22日開会の市議会で意向を表明する。持論の名古屋城天守木造化の進展を争点に据え、市議報酬を引き上げた市議会の自民、民進、公明3会派との対決姿勢を前面に打ち出す見通しだ。
河村氏は9日午前、「やりたいことはぎょうさんある。おもしろい名古屋にせないかん。ご奉公します」と記者団に語った。
河村氏はこれまで去就を明らかにしてこなかったが、子どもの包括支援策や大規模展示場の新設など新年度に向けた施策に強い意欲を見せていた。9日、「(2月)議会の初日、22日には、きちっと正式に話をする。議会に話すことは市民に話すことだ」と語った。
市議会では「反河村」で連携する自民公3会派が議席の3分の2を占め、河村氏が率いる地域政党・減税日本は少数派。河村氏が主導権を発揮しにくい状況に陥っている。強い意欲を見せる天守木造化の関連予算案は昨年6月から継続審議のまま。2月議会でも可決の見通しは立っていない。看板政策に掲げ一時実現させた市議報酬半減も昨年、自民公主導で大幅に引き上げられ、覆された。
このため、市長選では、自民公との対決姿勢を強く打ち出して勝利し、巻き返しを図る狙いがあるとみられる。
河村氏は衆院議員を5期務め、2009年の市長選に市民税減税などを訴えて初当選。その後、市民税10%恒久減税や市議報酬の「半減」を掲げて市議会リコール(解散請求)運動を主導し、11年の出直し市長選で過去最多の66万票で再選。13年の市長選でも大差で3選された。
市長選には、前副市長で弁護士の岩城正光氏(62)がすでに立候補を表明し、自民党市議団が支援を決めている。(嶋田圭一郎、関謙次)