自転車に乗りながらスマホアプリを利用し、案内に従って誤進入する人が増えている
歩行者や自転車などが高速道路に誤って進入するトラブルが昨年度3678件あり、5年前よりも約4割増えていることがわかった。近年、若年層の誤進入が目立つ。国土交通省は、スマートフォン用の道案内ソフト(ナビアプリ)が誤誘導したケースが多いとみて、業者に改善を求めた。
国交省によると、誤進入は2011年度は2598件だったが、14年度3338件、15年度3501件、16年度3678件と年々増加。半数は歩行者で、原付きバイクが約3割、自転車が約2割を占める。
高齢者の認知能力の低下による誤進入が多いと思われがちだが、50歳以上の誤進入が11年度から16年度で約1・3倍に増えたのに対し、50歳未満の件数は約2・2倍に増えている。
11~16年度の合計数を年代別に比べると、最も多いのは20代の3345件だ。次いで70代の3101件、60代の1649件、10代の1580件、30代の1542件となっている。
誤進入の要因の一つに、急速に普及しているナビアプリの存在がある。
首都高速道路では、誤進入の約17%はナビアプリが原因との昨年度の調査結果もある。アプリは多数の種類があり、無料でダウンロードできるものも多い。使用者が使い方を間違って、自動車向けの設定で利用したケースがあるほか、歩行者用に設定しているのに高速道路に誤誘導してしまうアプリもあるという。
このため国交省と警察庁は7月、アプリの開発業者に対し、歩行者らを自動車専用道路や高速道路に案内しないよう求めた。同省のホームページ上でも周知し、利用者側へも注意を促している。高速道路各社も、出入り口に歩行者や自転車の進入を禁じる看板や警告灯を取り付けるなど、対策を進めている。(岡戸佑樹)