広い展示場でたたずむコアラのタイチ=東京都日野市の多摩動物公園、川見能人撮影
33年前、日本で初めてコアラの飼育を始めた動物園のひとつ、多摩動物公園(東京都日野市)で、今年に入りコアラが1頭だけになっている。他にメスが1頭いるが、繁殖のため他園に預けられている。かつて最多で9頭があいきょうを振りまいた展示場で、今はぽつんとひとり。寂しさも漂う。
いきもの目線
どうぶつ新聞
コアラ館の展示場をのぞくと、オスで4歳のタイチが食事の真っ最中。室内は283平方メートルあり、「ひとり暮らし」にはかなり広い。
担当係長の細田孝久さん(57)は「背中に哀愁が漂ってますよね……」。コアラはもともと単独で行動するため、1頭でも生活上の大きな問題はないという。ただ、「展示する側としてはやっぱりさみしい。タイチにも刺激がなさすぎると思うんです」。
同公園は1984年に豪州から…