自分に自信を持てない沙織は、猫の良男にだけ心を開く(C)2018『猫は抱くもの』製作委員会
自分を人間と思い込んで飼い主に恋するロシアンブルーの良男と、自分に自信が持てず猫にしか心を開けないアラサーの元アイドル・沙織――。そんな猫と人間の関係を描いた映画「猫は抱くもの」が23日、公開される。監督は猫作品の名手、犬童一心さん。主人公・沙織を演じた沢尻エリカさんと、猫の魅力を語り合った。(構成・太田匡彦)
――猫との撮影はいかがでしたか?
沢尻「猫との“共演”は初めてでした。どう動くのかが全くわからない相手でしたが、そのなかでもパートナー役を務めてくれた良男は、とてもいい動きをしていたと思います。一緒に演じる大変さはなく、むしろ楽しかったです」
犬童「共演者が猫と仲良くなっていたほうが撮影がスムーズにいくので、本番の合間に、猫とふれあう時間を作りながら撮影を進めました。沢尻さんにも、セットの裏手で良男の相手をしてもらっていた。それが、本番での“演技”に効いてくるんでしょうね」
沢尻「待ち時間にかなり良男と遊びました。でも最初は、猫とどう接していいかわからなくて、戸惑いもありました。子どものころからずっと家では犬を飼っていて、今も家には2匹のチワワがいます。全力で向かってくる犬と違って、猫とはどう距離を取ればいいのかわからなかったんです」
犬童「良男は、距離を置くわけじゃないんです。自分勝手だけど、なついてくる子。気ままな男の子という感じでしたね」
沢尻「だんだんなついてきて、ふっと寄ってきたりするようになったのはうれしかったです」
犬童「それで結局、良男を沢尻さんが引き取ったんだ。猫たちを担当したアニマルトレーナーの坂本峰照さんが大事にしていた猫で、『信頼できる人に引き取ってほしい』と言っていたから、そういう意味でも今回はいい出会いになったね」
沢尻「ありがとうございます。撮影当時は良男でしたが、いまは家でグリグリになりました」
――映画では、猫と人との濃密な関係性を描いています。お二人にとって、猫や犬などペットはどういう存在ですか?
沢尻「良男だけに心を開く主人…