週末の夕方、東京方面(奥)に向かう車両で混雑する東京湾アクアライン。手前が千葉県木更津市=2日、朝日新聞社ヘリから、仙波理撮影
東京都世田谷区の自宅を車で出たのは午前7時半。首都高速道路に乗り、約30分で羽田空港を通過した。目的地は千葉県富津市のマザー牧場。都心を抜け、女性(38)がほっとしたのもつかの間、運転する夫(39)がブレーキを踏んだ。
東京湾アクアラインへと続く、長い長い渋滞の始まり。今年4月30日、ゴールデンウィーク(GW)真っただ中の日曜日のことだ。
一番の心配はトイレ。この先のパーキングエリアは「海ほたる」までない。対岸までの一本道。この日を楽しみにしていた小学4年の長女(10)と園児の次女(5)が「おしっこ」と言い出さないか、ずっと心配だった。なるべく水分をとらず、トイレを意識させないためにタブレット端末のゲームをさせた。
開園時間の午前9時はとっくに過ぎ、海ほたるに着いたのは正午前。一家でトイレに走り、マザー牧場で食べるつもりだった昼食もすませた。牧場に着いたのは、自宅を出てから約6時間後。子どもたちは喜んで遊んでいたけれど――。
帰りは東京湾をぐるりとまわる京葉道路を使った。渋滞していたが、いつでも一般道に降りられるから安心だった。
「アクアラインは、渋滞の時は子連れに向かない。房総半島は魅力的だけど、近くなったとは思わない」
■「観光客これ以上…