デジタル 高良健吾さん=大阪市中央区大手前、篠田英美撮影
NHK大阪放送局制作の朝ドラ「べっぴんさん」で、ヒロインの幼なじみで義兄役を演じている高良健吾さん。撮影も最終盤にさしかかったころに大阪でインタビューしました。慣れない関西弁のことや、演技上の発見、故郷・熊本についてなど、幅広く語ってくれました。
――昨年5月から大阪で撮影が続いています。これだけのスケジュールで東京を離れる撮影は初めてですか?
はい。地方での撮影は、とても好きです。自宅だと日々の生活のためにすることも多い。でもホテルだと作品のことだけを考えられる。
――潔は若い頃から最終盤まで登場します。これだけ長い人生を演じる機会も、あまりないのでは?
青年から、おじいちゃんになるまでを演じるのも初めてで、とても楽しい。ただ、そこに関西弁が入る。普段意識しないことを常に考えながら演じる難しさがあった。最初の頃は気持ちを作ってから慣れない言葉を乗せる仕事で、とても苦しめられた。現在でもNGを出すことがあります。今までも色んな方言をさせてもらいましたが、一番難しかった。以前経験した福島弁よりも難しい。
――「べっぴんさん」の潔の関西弁の方が、去年の月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジ系)で演じた福島出身の練(れん)よりは、九州に近いのかなと思っていましたが。
いえ、潔の方が難しいです。やっぱり大阪弁は多くの方に親しまれている言葉だし、僕は潔を演じるにあたって、跳ねるような話し方をしたかった。だけど関西弁は、案外平坦(へいたん)だった。今後にも役に立ちます。
――現場の雰囲気は?
東京と比べるものでもないけれど、大阪はアットホーム感がある。共演者やスタッフとの距離が近く感じて居心地がいいです。
大阪の街も人も好きです。大阪という場所に対する先入観って、僕だけじゃなくて多くの人が持っていると思うんです。「面白いことを言わなきゃいけない」とか「常にツッコミを入れられるのでは……」とドキドキしていましたが、実際来てみると、みんな温かくて。ツッコミって、優しさなんですよね。気遣いというか。あと「大阪人はケチだ」とか聞くけれど、全然違いました(笑)。