水戸市のイベント会社が登録した商標=特許庁の公開情報から
水戸徳川家の家紋「三つ葉葵」に似た紋様を水戸市内のイベント会社が商標登録した問題で、特許庁は、水戸徳川家当主が理事長を務める公益財団法人の異議申し立てを認め、商標登録の取り消しを決めた。決定は2月27日付。
特許庁によると、このイベント会社は民俗芸能の企画・運営をしている。2015年12月、お守りや日本酒、演芸に使うとして、三つ葉葵に似た紋様を商標として登録。これに対し、徳川ミュージアムは16年3月、すでに商標登録している紋様と似ているとして、特許庁に登録の取り消しを求めて異議を申し立てた。
異議申し立てについて、特許庁は、イベント会社の商標が公益財団法人「徳川ミュージアム」(東京都)が登録している著名な紋様と誤認してしまう恐れがあると判断。イベント会社が商標を使って独占的に商品の販売をすれば公共の利益に反する可能性があるとして、登録を取り消すことを双方に文書で伝えた。
徳川ミュージアム側の代理人は「まだ確定していないが、要望が認められてホッとしている」。イベント会社側の代理人は「会社と相談して対応を検討する」としている。決定に不服があれば、文書が届いた日から30日以内に知的財産高等裁判所に訴えを起こすことができる。(箱谷真司)