除染事業をめぐる汚職事件の構図
除染事業をめぐる汚職事件で、収賄容疑で逮捕された環境省福島環境再生事務所の職員鈴木雄二容疑者(56)が、土木会社の元社長から受けた接待について、「(口利きの)謝礼だと思った」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。
福島県警と警視庁の合同捜査本部によると、鈴木容疑者は、土木会社「大開工業」(富山県高岡市)の元社長小杉幹雄容疑者(63)=贈賄容疑で逮捕=からキャバクラでの飲食代のほか、高岡市へ2回旅行に行き、交通費や宿泊費などの代金を支払ってもらう接待を受けていた。捜査関係者によると、鈴木容疑者は調べに対し、こうした接待は、除染事業の元請け企業側に大開工業を下請けに入れるよう推薦する見返りだと認識していた、と説明しているという。
また、小杉容疑者が「受注したかったから接待した」と供述していることも判明。捜査本部は、双方が賄賂の認識をもって接待の授受を繰り返していたとみて調べている。
発表によると、鈴木容疑者の逮捕容疑は、2015年9月~16年6月、福島県浪江町の除染事業に大開工業が入れるよう元請け企業側に口利きをした見返りに、小杉容疑者から約20万円相当の接待を受けたというもの。いずれも「間違いありません」と述べ、容疑を認めている。