石原慎太郎・元東京都知事は7日、豊洲市場への移転問題に関して3日に記者会見した内容について、「一部、訂正や補足」するとして報道各社に文書を送った。一方、築地市場から豊洲への早期移転を改めて主張し、延期している小池百合子都知事に対し、法的措置も示唆した。
特集:築地市場の豊洲移転問題
石原氏は、同市場用地の地権者だった東京ガスとの交渉役について、記者会見で「(元都知事本局長で現練馬区長の)前川(燿男)さんが、(元都副知事の)浜渦(武生)君の後に携わった」と、2011年の土地の売買契約まで担当したかのように説明した点について、「誤りでした」とした。前川氏は05年に都庁を退職し、11年の契約には関わっていなかった。
同社との契約書に押印された都知事名義の公印について、会見で「担当者の誰かがサインしたんでしょうね。その時に私の判子が使われた」などと話したが、文書では「公印は管理する者がいて、知事自身が押印するわけではない」とした。同社との協定書に関しては担当部局長に決裁権限が委ねられていたとする一方、「私に内容が説明された可能性はあります。しかし、(中略)私には記憶がありません」とした。
文書では、豊洲市場は「安全だと思っています」と改めて主張し、「小池知事こそ移転させない不作為に責任がある」と指摘。「無策を続けるのであれば、法的手続きも検討せざるを得」ないと述べ、弁護士に準備させているとした。