国連人権理事会の定例会合で、対北朝鮮決議案について発言するジュネーブ国際機関日本政府代表部の志野光子大使(中央)=24日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部、松尾一郎撮影
スイス・ジュネーブで開催中の国連人権理事会は24日の定例会合で、北朝鮮の人権侵害の責任追及などを含んだ決議案を採択した。
この決議案は、日本と欧州連合(EU)が主導して毎年提出しており、今回は国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の機関でソウルにある北朝鮮人権事務所の監視機能を強化し、法的な責任追及の仕組みが将来できることを見据え、人権侵害の証拠や証言を収集・管理する仕組みを確立することが柱になっている。
在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の志野光子大使は「長期にわたる組織的かつ広範に及ぶ北朝鮮の人権侵害について国際的な懸念を共有している。北朝鮮が再度、国際的な懸念事項への対処ならびに拉致問題の解決に向けて、国際社会と建設的な対話をすることを求める」などと発言した。
一方、中国は「人権問題の政治問題化に反対する」などと発言。ほかの数カ国が否定的な意見を表明したものの、投票要求はなく、決議案は採択された。北朝鮮は採決を欠席した。(ジュネーブ=松尾一郎)