サクラエビ(左)と偽って販売されたアキアミ(右)=県庁
静岡県河津町で2~3月に開かれた河津桜まつりの会場内の出店で、サクラエビと偽って中国産のアキアミを販売したのは景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、県は30日、群馬県草津町の男性(61)が営む下田市の事業者に再発防止を求める措置命令を出した。景品表示法に基づく県の措置命令は初めて。
県によると、サクラエビは約4センチのピンク色なのに対し、アキアミは色が薄くて約1~3センチ。販売価格は3倍程度の差がある。
男性は2月10日~今月8日、桜まつりの会場に「西村商店」の名で出店。県内の水産卸売業者から仕入れた中国産アキアミ約290キログラムを「駿河湾直送桜えび」と偽り、20~25グラム入り1パック300円、4パック1千円で販売した。約50万円で仕入れ、推定で約1万1千パック、290万円分を販売した可能性があるという。
2月下旬、河津町観光協会や県に消費者から通報があり、県の関係機関が検査したところ、アキアミと判明した。県は30日、表示の改善や再発防止を求める景品表示法の措置命令と食品表示法の指示を男性に伝えた。男性は会場に10年以上出店しており、「迷惑をかけた。二度としない」と話しているという。