メタボ健診を受ける社員や職員が少ない健康保険組合や共済組合への「罰金」を増やします――。12日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、塩崎恭久厚生労働相がこうした施策の導入を表明した。健康維持を促し、将来の医療費削減につなげる狙いがある。
メタボ健診(特定健診)は40~74歳が対象で、生活習慣病予防が目的だ。受診者は増加傾向にあるが、2014年度の全組合平均の受診率は49%。厚労省が目指す70%に達していない。健診に引っかかった人に対して保健師らが改善の行動計画を立てる特定保健指導の受診率も18%と、目標の45%にほど遠い。
そのため13年度から、特定保健指導の受診率が0・1%以下の組合に対し、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度への支援金を0・23%引き上げる仕組みを導入した。この「罰金額」を財源に、受診率の高い組合の支援金は逆に引き下げている。
ところが、引き上げ対象となった組合の負担増は15年度で平均約56万円にとどまった。効果が低いとみて、18~20年度に増減率を最大1割まで段階的に増やしていくことにした。
塩崎氏は諮問会議で、25年の医療の提供体制を示す「地域医療構想」を実現させるための計画も表明した。入院ベッドの機能を転換してもらう個別の病院名や病床数などを具体的に示す事業計画を策定した都道府県に対し、財政的に支援。入院ベッドの削減を後押しする方針だ。(水戸部六美)