北九州市で4月にあった前川喜平・前文部科学事務次官らの講演会の実行委員会メンバーで、司会も務めた村上聡子市議(52)=無所属=が手紙やネットで脅迫を受けていたことが8日、わかった。福岡県警が脅迫容疑などを視野に捜査している。
村上市議の説明によると、4月14日の講演会直後からネット上に中傷する書き込みが相次いだ。事務所にも「なんで前川の講演会を開くんだ」などの電話がかかってきた。4月29日に八幡西署に被害届を提出した。今月2日にも、封書とはがきの計2通が事務所に届き、「死ね」「オマエの家族をのろってやる」などと赤字で書かれていた。村上市議は「脅迫は卑劣な行為。許されない」と話した。
講演会のテーマは「みんなで未来の話をしよう これからの教育と子どもたち」で、市民団体などの実行委が主催した。前川氏と元文科省大臣官房審議官の寺脇研氏が順に基調講演した後に対談。森友学園への国有地売却や関連の公文書改ざんにも話が及んだ。実行委代表の服部弘昭弁護士は「市議の政治活動に対する抗議や反論の域を超えた犯罪行為。言論の自由として保護されない常軌を逸した内容だ」と話している。
また、講演会を後援した北九州市教委には抗議の電話やメールが、会の前後に約30件あった。「あんな人をなぜ後援するんだ」などと1時間近く強い口調で電話で抗議した人もいたという。北九州市議会事務局にも4月下旬から、村上市議の資質を問うなどの電話が、多い時で1日10件程度あったという。
村上市議は昨年1月の市議選で社民党などの推薦を受けて初当選した。