公道実験のための主な基準案
車の自動運転の実現に向け、無人の車が遠隔操作で公道を走行実験できることになった。警察庁が13日、開発者が実験するための基準案を公表した。一般の通行に支障がない時間や場所で実施する▽事故が起きた場合の態勢を備える▽実験車両であることを表示――といった内容になっている。
同庁は14日から5月7日まで基準案に対する意見を募集。5月中に正式に基準を定め、早ければ今夏にも開発者側の申請が始まる。
道路交通法は車の走行には運転者が必要としている。自動運転の実用化に向けた公道での実験も、現在は免許を持った人が運転席に乗るなどの条件下で認められている。
一方、政府は東京五輪までに、無人の自動運転による移動サービス実現を目標に掲げ、開発者側も技術開発を進めている。道路交通に関するジュネーブ条約の作業部会も昨年3月、「車をコントロールできる人がいれば、車中にいるかどうかは問わない」との見解を示した。このため警察庁はどういう条件を備えれば公道での無人自動運転の実験が認められるか、専門家を交えて検討を重ねてきた。
基準案はまず、無人車を遠隔で操作する人が運転者と同じ法的義務を負うと明示。その上で、無線通信システムが途絶えない場所で実施する、事前にテストコースなどで安全を確かめる、実験する地域の住民らにあらかじめ説明する、などの条件を課している。不測の事態への対応も開発者に求める。緊急時に現場へ急行できる態勢の整備、賠償能力の確保、記録の保存などだ。
法的には、開発者側に道交法の…