4月から上益城消防組合消防本部に勤め始めた渡辺大祐さん=熊本県御船町
地震で大きな被害を受けた熊本県益城町出身の男性消防士が今月、地元に戻り新人消防士として働き始めた。地震では祖父母が住む家も倒壊し、再建の途上。「みんなが元通りの生活をできるようにがんばりたい」と復興への貢献を誓う。
【写真特集】復興へ、一歩ずつ
特集:熊本地震
「1分間に胸を圧迫するのは何回?」「100~120です!」
「押す深さは」「5センチです!」
7日、上益城消防組合消防本部(熊本県御船町)では新人消防士4人が救命措置の訓練を受けていた。その1人、渡辺大祐さん(23)は心臓マッサージをしながら、指導する隊員の問いに素早く答えた。広島市消防局を辞め、1日に上益城の消防本部に入った。
消防士は物心ついた頃からの憧れだった。20歳で採用試験を受けたが、上益城は不採用に。親に迷惑をかけないように、と合格した広島に移り住んだ。
そして、3年目に入った矢先だった。
昨年4月14日午後9時26分…