北海道は子どもの貧困に関する実態調査の結果を公表した。過去1年間に経済的理由で家族が必要とする食料を買えないことがあったと答えた世帯が20・5%に上るなど、子育て世帯の厳しい実態が明らかになった。
特集:子どもと貧困
調査は子どもの貧困対策のため北大と共同で実施。小学2年と5年、中学2年、高校2年の子どもがいる、札幌市などを除いた13市町の世帯に経済状況や生活環境を尋ね、約1万5千世帯から回答があった。
家計が「黒字」と答えた世帯が28・4%だった一方、「どちらでもなくぎりぎり」が43・3%、「赤字」が24・1%だった。
過去1年間の経済的理由で「冬に暖房が使えなかったことがある」世帯が8・7%あった。また、「子どもに病院などを受診させた方が良いと思ったが、受診させなかった経験がある」世帯が17・8%で、受診させなかった理由は26・4%が「お金がなかった」と回答した。
高校2年の子どもを対象にした質問では、18・4%がアルバイトをしていると回答。その理由について「生活費(家賃・食費・水光熱費)のため」が24・2%、「授業料のため」が13・5%、「家族を支えるため」が35・5%だった。進学については、22・8%が「高校まで」と回答。その理由については45%が「進学に必要なお金のことが心配だから」と答えた。
高橋はるみ知事は7日の会見で、一人親家庭の保護者への就労支援や、子ども食堂への支援などに取り組む考えを示した。(坂東慎一郎)