舞台「エレクトラ」に主演する高畑充希=飯塚悟撮影
父を暗殺した母を恨み、憎み、そして殺そうとする。恐ろしすぎるギリシャ悲劇の舞台「エレクトラ」(りゅーとぴあプロデュース)も、主演する高畑充希にかかれば、かわいくなるのか?
エレクトラ(高畑)は復讐(ふくしゅう)に燃えている。狙うのは母クリュタイメストラ(白石加代子)。エレクトラの姉であり、自分たちの長女をいけにえとすることで戦争を終わらせた父を、愛人と共謀して暗殺した女だ。
「反抗期みたい。自分が思っていることが絶対正しいって思い込んでいて。本当はお母さんのこと大好きなのに。思春期はみんなそうですよね。こんなに激しくないですけど」とくりっとした目をさらに丸くする。
出演が決まったのは約5年前。きっかけは俳優の卵だった高畑が16歳の時、白石の楽屋を訪れ、「必ず共演できるような俳優になります」と宣言し、強い印象を植え付けたことだった。
「(白石は)独特な雰囲気を醸し出すオンリーワンな俳優さん。一緒に本読みしているだけでうれしい」。だが、舞台上では憎み、罵倒し続ける。「それが俳優です」とくすっと笑う。「根っこを支えてくれる安心感があるから、『殺してやる!』って本気でぶつかれる。セリフに感情をのせると、だんだんその気になってきますし」
10代は舞台、20代ではドラ…