九州電力玄海原発の3号機(奥)と4号機(手前)=23日、佐賀県玄海町、朝日新聞社ヘリから、日吉健吾撮影
佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は24日午後、県庁で記者会見し、九州電力玄海原発3、4号機(同県玄海町)の再稼働への同意を表明する。これで地元同意の手続きは完了する。今後、原子力規制委員会の認可手続きや使用前検査などを経て、早ければ今夏ごろに再稼働する見通しだ。
原発の新規制基準ができて以降、再稼働への地元同意は九電川内1、2号機(鹿児島県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)、関西電力高浜3、4号機(福井県)に続き4例目。
原発が立地する玄海町の町議会と岸本英雄町長は2~3月に再稼働に同意し、県議会も今月13日に同意を決議した。だが、原発の30キロ圏は佐賀、長崎、福岡3県の8市町にまたがり、そのうち佐賀県伊万里市や長崎県壱岐市など4市が避難計画への懸念などから再稼働に反対を表明している。
玄海原発をめぐっては、2011年に県民向けの説明の場へ再稼働に賛成する意見を投稿するよう九電が関連会社員らに呼びかけた「やらせメール」問題が発覚した経緯がある。3号機は10年12月、4号機は11年12月に定期検査で停止してから動いていない。(浜田祥太郎)
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〈玄海原発〉 福島第一原発の沸騰水型炉(BWR)とはタイプが異なる加圧水型炉(PWR)で、3、4号機は出力118万キロワット。1994~97年に営業運転を開始した。3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電をしていた。75年営業運転開始の1号機(出力55・9万キロワット)は今月19日に廃炉計画が認可され、81年開始の2号機(同)は廃炉か再稼働かを検討中。