当選が確実となり、恒例のパフォーマンスをする河村たかし氏=23日午後8時13分、名古屋市東区、戸村登撮影
23日の名古屋市長選で4度目の当選を決めた現職の河村たかし氏は、公約に掲げた名古屋城天守木造化を早期に進め、市民税一律5%減税を継続する意向を示した。だが市議会では、対立する自民、民進、公明3党が3分の2議席を占め、いずれにも厳しい目を向けている。愛知県の大村秀章知事との関係もぎくしゃくしたままだ。河村氏は3期目も大きな波風の中での船出となる。
名古屋市長選、河村氏が4選果たす 前副市長ら破る
「民意によって信任を得た。早く木造化を進めてくれというのが市民の間違いない思い。減税もそう」
午後8時過ぎ、東区の事務所前。当選確実の報を受け、河村氏は頭に名古屋城をかたどったかぶり物を着け、看板政策の実現に向け気勢を上げた。
河村氏が強い意欲を持って推進してきた名古屋城天守木造化と市民税減税だが、市長選に大勝してもなお、先行きは不透明だ。
市長と市議会は、2016年春に河村氏の看板政策「市議報酬年800万円」が自民、民主(当時)、公明3党主導でほごにされ、市議報酬が1455万円に引き上げられたのを機に、対立が激化した。今回の市長選では自民と民進が、河村氏に副市長を解職された岩城正光氏の側に立つことにつながった。
自民公3党は市議会で3分の2の議席を占める。市長選での争点化を避けるため、3党は木造化関連予算に賛成したが、自民市議団幹部は「市長は2期8年で市職員とも市議会とも関係ができておらず、『裸の王様』で孤立した状態。市長選に勝ったからと言って、指摘の手を緩めるつもりはない」と話した。
かつて蜜月関係にあった大村知事との関係も見る影もなく冷え込んだ。大村氏は、河村氏が市独自の大規模展示場計画を推進することへの批判を強め、今回の市長選では静観を決め込んだ。23日も事務所の当選祝いのセレモニーに姿を見せなかった。
2年後の知事選への態度を大村氏はまだ表明していないが、河村氏が関係を見直す局面も想定される。
河村氏は、記者会見で、大村知…