ツアー5季ぶりの7勝目を挙げた久保谷健一
国内男子ゴルフツアーのパナソニックオープンは23日、アジアンツアーを兼ねて千葉CC梅郷(7130ヤード=パー71)で最終ラウンドがあり、通算11アンダーで並んだ45歳の久保谷健一が44歳の宮本勝昌をプレーオフで下し、2012年の日本オープン以来ツアー通算7勝目を挙げた。
首位と6打差の20位から出た久保谷は最終ラウンドでボギーなしの7バーディーを奪いスコアを一気に七つ伸ばし、逆転で優勝賞金3千万円を獲得した。首位から出た黄重坤(ハン・ジュンゴン=韓)は10アンダーで3位だった。
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〈2位の宮本勝昌〉プレーオフの1打目でOB。「わからない。わかれば打たない。悔しい。久保谷さんが優勝してよかった。苦しんでいる姿を見てきたので」
〈3位の堀川未来夢 〉初優勝に届かず。「風が回っていて、なかなかジャッジがうまくいかなかった。一歩、一歩なので、頑張ります」
〈36位の池田勇太〉73で回り、「最終日がこの結果じゃ話にならないね。何が悪いのかわからないけど、スコアが出せなかったこと自体がダメ」。
■久保谷、パットがさえ大逆転劇
久保谷健一のこの日のスタートは最終組から8組前、1時間半ほど早かった。「人生で3本の指に入るぐらいパットが良かった」という技術で大逆転劇を演じた。前半はすべて1パット、11番でも15メートルのバーディーパットを沈めるなどことごとく決めた。
3年前に腰を手術、その後トップ10入りは2度、賞金ランクでのシード権も逃した。自ら「カド番」と言う今季は、日本オープン優勝で得た5年シードの最終年だ。前週、5年ぶりに国内開幕戦の予選を突破。好感触が残り、「まだ、オーバーパーを打っておらず、その記録を伸ばそう」。これがこの日の目標だった。
初優勝した20年前、翌週、予選落ちした。先輩に「そんなの本物じゃない」と言われたことが頭に残り、それ以降、優勝翌週の予選落ちもない。「見られ方も変わる。来週どうやるかで頭がいっぱい。予選を必死で通る」。ベテランは、復活優勝の喜びよりプロの気概を口にした。