ロココを押して下校する高校生=松山市
通勤や通学などで使うシティーサイクル。新年度の時期に合わせて様々なモデルが各社から発売されるが、愛媛県内ではあるモデルが高校生を中心に絶大な人気を集めている。その理由とは――。
そのモデルは自転車製造大手ブリヂストンサイクル(埼玉県)の「ロココ」。女子高校生から大学生をターゲットに2002年に発売された。前かご部分からサドルの下にかけて、弓なりに曲がって伸びる「変形フレーム」が特徴だ。
同社によると、15年のロココの全国の販売台数のうち、およそ5割が愛媛県内という。特定の地域で一つのモデルが人気を集めるのは同社でも他に無い。広報担当者は「初めは予想外だったが、ここまで普及したので、今後も愛媛で重点的にロココを売っていきたい」と意気込む。
どの程度の人気なのか。3月15日、生徒の大半が自転車通学という松山中央高校(松山市)を訪ねてみた。駐輪場の一部の区画で数えてみると、107台のうち76台がロココ。高校入学前に買った佐々木稔一さん(17)は「友達とか先輩が大体ロココだったんで」、島村洋輔さん(16)は「はやっていたし、デザインもいいなと思って」と話す。
販売会社によると、00年ごろに愛媛や徳島でロココのような「変形フレーム」が流行。その流れで人気に火が付いたとみられる。
といっても、愛媛でロココがはやりだしたのは15年も前の話だ。今もなおロココが人気なのはどうしてだろうか。
ブリヂストンサイクル広報担当者は「県内の高校の校則には、『暗くなると自動点灯するオートライトが望ましい』などと定めたものが多いと聞く。それに沿っていることや、派手でない、タイヤがパンクに強いことも理由では」と話す。
松山市の自転車店「スラブサイ…