ピークを迎えている2017年1~3月期の米企業決算の発表で、外食大手の米マクドナルドと米飲料大手コカ・コーラの業績が明暗を分ける形となった。マクドナルドは25日、検討していた日本マクドナルドホールディングス(HD)の株式の一部売却を取りやめたと明らかにした。業績の改善が背景にあるとみられる。
米マクドナルドは日本マクドナルドHDの約5割の株式を握る。電話会見したケビン・オザン最高財務責任者(CFO)は「日本のマクドナルドへの我々の持ち分について最近、見直しを終えた」と表明。現段階で、売却に向けた作業は進めない意向を明らかにした。
日本マクドナルドHDは16年12月期決算で3年ぶりに最終黒字に転換し、米マクドナルドの業績が上向く要因にもなった。1~3月期決算は、純利益が前年同期より8%増えて12億1480万ドル(約1350億円)。既存店の比較では売り上げが同4%伸びた。
北米では、「エッグマックマフィン」などの朝食メニューを終日出す試みが功を奏した。品質を高めるため、大型ハンバーガーの「クォーターパウンダー」に使う肉を冷凍から冷蔵に切り替える方針を打ち出すなど、攻勢を強めている。
一方、コカ・コーラは25日、米アトランタ本社の管理部門などで働く従業員のうち、約2割にあたる1200人を18年までに削減すると明らかにした。消費者の健康志向の高まりなどで主力の炭酸飲料が苦戦しており、追加のリストラに踏み切る。
同社には全世界で10万人以上の従業員が働いているが、今回は経営・管理に携わる約5500人が削減対象。ジェームズ・クインシー最高執行責任者(COO)は電話会見で「より集中した、ぜい肉の少ない組織にする」と説明した。すでに公表している分と合わせ、計38億ドル(約4200億円)のコスト削減を19年までに進めるという。
この日発表した1~3月期決算では、売上高が前年同期より11%減の91億1800万ドル(約1兆円)。純利益は前年同期から約2割減って11億8200万ドル(約1300億円)となった。主力の北米で出荷量が同3%減った。(ニューヨーク=江渕崇)