ソウルで2日、大統領選の候補者のポスターを見る人たち=金順姫撮影
韓国大統領選の投票が9日に迫った。朴槿恵(パククネ)前大統領の罷免(ひめん)、逮捕・起訴を経た韓国社会で、有権者たちはいま何を思うのか。
特集:韓国大統領選
韓国では朴被告をめぐる疑惑の発覚後、退陣を求めるロウソク集会が週末ごとに各地で開かれた。集会に2回参加したソウル市の大学生、南明薫さん(24)は「ロウソク集会で市民が主張した通り、過ちを犯した大統領への弾劾(だんがい)が成立し、進歩系への政権交代の可能性が高まったことには期待が持てる」と話す。ただ、「誰が大統領になっても、古い政治の解消ができるのかという心配もある」という。
朴被告は、韓国最大の財閥サムスングループから巨額の賄賂を受け取ったとして、収賄などの罪で起訴された。サムスングループで働くソウル市の40代男性は「内需の活性化に力を入れる候補者に投票する。企業への課税のあり方や財閥改革を叫ぶのは構わないが、財閥で働く人間がやりがいを持って働ける環境を作ってくれる大統領を望む」。
大学院を卒業後、2年以上求職中でソウル市に住む金済熏さん(38)は「経済的な不平等がひどい。若い世代の失業を減らすと同時に、財閥改革を中心にしながら所得再分配の問題を解決すべきだ」と主張した。
北朝鮮との関係も新政権の課題だ。
2010年に北朝鮮による砲撃…