(4日、楽天2―1オリックス)
楽天のドラフト4位ルーキーの菅原は一塁走者が二塁で封殺されると、右手でグラブを2度たたいて喜んだ。1―1の五回2死満塁のピンチでマウンドへ。「任されたのが厳しい場面だったので、腕を振って投げようと。背伸びをせず、自分のボールを投げようと思った」。計算ずくの3球で、プロ初勝利を挙げた。
打席にはオリックスのベテラン、中島。まず外角低めのスライダーで入り、様子を見る。2球目は同じ球をストライクゾーンに投じてカウントを戻し、最後は外角への148キロで二ゴロに打ち取った。
中島は4月2日にプロ初登板した時の先頭打者だった。その時は変化球でかわそうとして四球を与えたが、この日は真っ向勝負でピンチをしのいだ。
今季初の6連戦の3戦目。ローテーションの谷間で、先発の古川も走者を出しながら粘っていた。梨田監督は古川に託すつもりだったが、試合を重ねるごとに安定感が増してきた菅原を与田投手コーチが推し、23歳が結果で応えた。
福井工大福井高から大体大へ。1月の大学のOB会で大リーグで活躍する上原(カブス)に助言を受けた。「練習も大事やけど、プロは結果が全てやから」。あこがれの先輩の言葉を胸に開幕1軍をつかみ、これで8試合連続無失点だ。「少しはアピールになったかな。上原さんと同じ中継ぎで投げられてうれしい」(松沢憲司)