8日の東京株式市場は、仏大統領選で親EU(欧州連合)のマクロン氏が勝利したことを受けて安心感が広がり、日経平均株価が値上がりしている。上げ幅は一時430円を超え、3月につけた取引時間中の今年の最高値を更新、取引時間中としては2015年12月3日以来の水準となった。午後1時時点の日経平均は、前営業日の2日終値より424円57銭高い1万9870円27銭。
マクロン氏の勝利で、フランスがEUから離脱する懸念が大きく後退し、世界経済への悪影響を心配していた投資家の心理が改善した。エネルギーや金融など幅広い銘柄が買われ、「重しになっていた政治リスクが弱まり、海外の投資家からの買いが膨らんでいる」(SMBC日興証券の太田千尋氏)という。
東京外国為替市場の円相場も、欧州の政治不安が和らいだとの見方が広がり、「安全資産」とされる円を売って、ユーロやドルを買う動きが強まっている。午後1時時点の対ドルは、前営業日の2日午後5時より59銭円安ドル高の1ドル=112円75~76銭。対ユーロは、同1円35銭円安ユーロ高の1ユーロ=123円69~73銭。「仏大統領選でEU離脱を主張するルペン氏が敗退し、安心感が広がったことでユーロが買われた」(三井住友信託銀行の瀬良礼子氏)という。