厚生労働省は10日、違法残業をはじめ、労働関係法令に違反した疑いで書類送検された企業の社名の公表を、同省のホームページ(HP)で始めた。全国の労働局がHPで公表した内容をまとめ、厚労省のHPに一括して掲載する。
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この日公表したのは、全国の労働局が昨年10月以降に労働基準法違反などの疑いで書類送検した約330の企業名や事業場名。違反した法令や内容、書類送検した日を記載している。月に一度、内容を更新するという。公表期間は書類送検した日から約1年だが、期間中に違法状態を改善した企業の社名はHPから削除する。
厚労省は各労働局に対し、企業を書類送検したら公表するよう通達しているが、これまでは報道機関に資料を配布するだけの労働局が大半で、企業名をHPで公表する労働局は大阪や岩手など7局だけだった。今後は書類送検したすべての企業名を各労働局のHPで公表するとともに、厚労省のHPでも掲載することにした。
こうした方針は、広告大手の電通で新入社員が過労自殺した事件を機に昨年末にまとめた過労死防止の緊急対策に盛り込んでいた。厚労省の担当者は「企業の法令違反に対する意識の改善につなげたい」としている。(高橋克典)