日本では女性研究者はほかの条件が同じでも男性より教授に昇進できる確率が2~5割低いことが文部科学省の科学技術・学術政策研究所の調査でわかった。調査を担当した藤原綾乃主任研究官は「女性研究者の過小評価と言えるのではないか。日本の大学はさらに女性の活躍を促す工夫が必要だ」と指摘している。
総務省によると、日本の女性研究者は昨年3月末時点で約13万8400人。研究者全体の15・3%を占めて過去最高だったが、ロシア(40・3%)、英国(37・4%)、イタリア(36・0%)、米国(34・3%)などと比べると低水準だ。
藤原さんは科学技術振興機構の研究者データベースから分析可能な1万1901人分をもとに、性別や業績などが教授昇進にどう影響するかを調べた。
その結果、女性は男性と比べ、ほかの条件が同じでも人文社会学で19・1%、理工系で49・6%、医学・生物学で29・0%、教授昇進の確率が低かった。性別以外では、執筆した書籍数だけでなく、論文の共著者が多い方が昇進率が高かった。
さらに教授になった男女309…