新型ミサイルの発射を視察する金正恩委員長(中央)=15日付の労働新聞(電子版)から
北朝鮮は15日、新型の中長距離弾道ミサイル「火星(ファソン)12」の発射実験を14日朝に成功させ、金正恩(キムジョンウン)委員長が2日間にわたって現地指導したと発表した。朝鮮中央通信が伝えた。発射場所は明らかにしていないが、14日朝に西部の平安北道亀城(ピョンアンブクトクソン)付近から日本海に向けて発射された弾道ミサイルを指すとみられる。
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同通信によると、正恩氏は発射前日のミサイル組み立てを現場で指導し、発射も現地で指導した。正恩氏は「米国がつまらない軽挙妄動により先制攻撃すれば、史上最大の災難を免れられない」とし、「米本土と太平洋作戦地が我々の攻撃圏内に入っており、殲滅(せんめつ)的報復攻撃のあらゆる手段が我々の手中にある」と述べた。
同通信によると、発射されたミサイルは大型核兵器の搭載が可能で、高度2111・5キロまで達し、787キロ先の「公海上の目標水域を正確に打撃した」としている。
複数の軍事関係筋によれば、北朝鮮は13日未明までに亀城付近の飛行場でミサイルを起立させ、14日早朝に発射した。弾道ミサイルを半ば公開するような形で発射したことに続き、正恩氏が現地で指導したと伝えたことで、米国の出方を試すねらいがあるとみられる。
14日朝のミサイル発射については、角度を通常より上げて高く打ち上げる「ロフテッド軌道」で飛距離を抑えたとの見方が出ていた。(ソウル=武田肇)