上告趣意書を提出後、会見した岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長=16日、東京・霞が関
受託収賄罪などに問われ、二審で逆転有罪判決を受けた岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長(32)の弁護団が16日、二審判決の破棄を求める上告趣意書を最高裁に提出した。弁護団とともに記者会見した藤井氏は「無実を信じて下さった市民に良い結果が報告できると確信している」と語った。
弁護団は上告趣意書で、二審の名古屋高裁が、金を渡したとされる贈賄業者の証人尋問を行いながら、受け手とされる藤井氏の被告人質問をせずに有罪としたと批判。喜田村洋一弁護士は「書面の審理のみで有罪としてはいけない」などとする最高裁判例に違反するとした上で、「被告にも意見や弁解の機会を与えないといけない。控訴審としてあり得ない」と述べた。
さらに弁護団は「高裁は新たな証拠がないのに、実質的に心証だけで一審判決を覆した」として、この点も最高裁判例に反すると主張。高裁判決の破棄と一審無罪判決の支持を求めている。
藤井氏は14日に無投票で3選を決めたばかり。刑事被告人の立場で市政のかじ取りが続くが、「上告趣意書を出すことが最後のアクション。あとは百パーセント公務に取り組むだけだ」と語った。最高裁の判断時期は見通せないが、弁護団は「一審が無罪なので、それなりの時間が必要だろう」と述べ、年明けになる可能性があるとの見通しを示した。
藤井氏は、仮に有罪が確定すれ…