PK戦の末デンマークを破り、喜び駆け出すクロアチアの選手たち=ロイター
(1日、クロアチア1―1デンマーク=PK3―2 ワールドカップ)
1次リーグから決勝までを考えれば、7試合が待っている。どこかで必ず味わう苦戦をどう乗り切るかが、上位進出のポイントになることは歴史が示している。
クロアチア、命拾いの8強入り「GKが今晩のヒーロー」
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PK戦までもつれた試合を、ダリッチ監督は「1次リーグのような、いい内容ではなかった」と認めた上で、「こういう難しい試合があったほうがいい」と話している。
一発勝負の決勝トーナメントに入って、選手が傾ける熱量と緊迫感は1段高まった。失点を避けたいという気持ちが先行する分、1次リーグを全勝したクロアチアも手堅くなった。
内容の悪さには、体のコンディションも影響していた。1次リーグ2戦目に3―0で完勝したアルゼンチン戦と同じ先発に戻したが、精彩を欠いた。動きの量が少なく、パスワークも球際の激しさも乏しかった。
延長後半で勝ち越し点となるはずだったPKを失敗したモドリッチは「暑くて、走るのが大変だった」。次は地元の声援を後ろ盾にするホスト国のロシアと戦う。しかも会場は暑さの厳しいソチ。心身両方のコンディションを整えることが必要だ。
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ただ、PK戦での勝利で意気は上がる。PKを失敗した直後のPK戦で、モドリッチは3人目のキッカーとして決めた。ダリッチ監督によると、自らけることを志願した。「真のキャプテンとして責任を果たした。偉大な選手だ」と賛辞を惜しまなかった。
GKのスバシッチはPK戦で3本をセーブ。これは2006年イングランド戦のリカルド(ポルトガル)の最多記録に並ぶ。この先もPK戦があると考えれば、辛勝のPK戦勝ちは心理的にはプラスになる。(潮智史)