多くの人でにぎわう店内=20日午後、東京都千代田区、今泉奏撮影
東京・有楽町にある北海道のアンテナショップ「北海道どさんこプラザ有楽町店」の売り上げが、2015年度に10億円を超えた。1999年の開店以来、「大台」に達するのは初めて。店や道は、今後もこの勢いを維持したい考えだ。
道外にある道のアンテナショップは、都内2店舗と仙台市、さいたま市、神奈川県相模原市、名古屋市の計6店舗。その中で有楽町店は面積が172平方メートル、取扱商品が1200種以上と最大で、売り上げ・来店者数ともに最多を誇る。
開店した99年度の売り上げは約2億2千万円だったが、ほぼ右肩上がりで増加し、15年度は10億140万7千円になった。来店者数も同様で、99年度の約38万人が09年度は約249万人を記録。15年度は225万6824人だった。
一般財団法人「地域活性化センター」(東京)によると、都道府県のアンテナショップの年間売り上げが10億円を超えたのは、どさんこプラザ有楽町店が初めてという。その理由について、同店副店長の須崎奈津子さんは「道が発行し、店で使えるプレミアムどさんこ商品券が好調だった」と分析する。5千円で購入した商品券で7千円分の買い物ができるもので、道外中心に13万3500セットが発売された。
一方で須崎さんは、店の工夫もあげる。その一つが「ルーキーズステージ」。道が選んだ約100~120の新商品を3カ月間販売する。売り上げ上位の半数はさらに3カ月間続けて売られ、上位10位に入った商品が「ルーキーズグランプリ」として定番商品になる――という仕組みだ。生産者の意欲を高め、来店者も新商品を楽しめるようにする狙いがある。
今後は、ロイズや六花亭といった有名店の商品を増やすなどする予定。そして須崎さんは「店に来たことをきっかけに、実際に北海道に足を運んでもらえたら」と願っている。(弓長理佳)