指定暴力団工藤会が市民を襲撃したとされる一連の事件で、組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人未遂)罪などに問われた元工藤会系組幹部の中田好信被告(42)の論告求刑公判が4日、福岡地裁(丸田顕裁判長)であった。検察側は「銃撃事件などで実行役を担い、刑事責任は極めて重大」として、無期懲役を求刑した。弁護側の最終弁論は12日に行われる。
中田被告が関与したとされるのは、①2012年4月、北九州市小倉南区で福岡県警元警部の男性が銃撃された事件②13年1月、福岡市博多区で女性看護師が頭や胸を刺されて負傷した事件③14年5月、北九州市小倉北区で男性歯科医師が刺されて負傷した事件。
検察側は論告で、いずれも、工藤会トップで総裁の野村悟被告(70)の指揮命令に基づいて起きた組織的な事件で、中田被告は①と③で実行役だったと主張。「一般市民を標的とした凶悪事案を二度と発生させないため、事件に関与した組員に厳罰で臨み、犯行が全く割に合わないことを広く知らしめることが必要不可欠だ」と指摘した。