東京都台東区の路上で昨年12月、数億円相当の金塊を運んでいた貴金属販売店の男性従業員が3人組の男に襲撃される事件があり、警視庁は6日、この従業員が乗っていた高級外車を奪ったとして男2人を強盗容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。
金塊は車外に運ばれた直後で、被害はなかった。前月にはこの店の別の従業員が路上で襲われ、現金1億円が奪われたとされる事件があり、同庁は、12月の事件との関連を調べるとともに、店の情報が事前に漏れていた疑いがあるとみている。
捜査関係者によると、昨年12月8日午前11時15分ごろ、貴金属販売店の加工施設がある台東区寿1丁目の路上で、金塊を施設内に搬入し終えた男性従業員が高級外車に乗り込もうとした際、3人組の男が「車の中を見せろ」と脅し、催涙スプレーをかけ、車を奪って逃げたという。
通報を受けた警察官が間もなく、近くの駐車場に乗り捨てられている高級外車を発見した。同店は普段からこの車で金塊や多額の現金を輸送していたという。
同年11月には貴金属販売店がある東京都文京区湯島の路上で、現金を運んでいた従業員が突然、男らに消火器で消火剤を噴射される事件があった。従業員は「2億円ほど運んでいたが、1億円とられた」と警視庁に説明したという。