1871年に始まった米国の巡業サーカス団「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス」が21日、最終公演を行い、146年の歴史に幕を下ろした。ネット利用やゲーム機の広がりで娯楽が多様化する中、動物保護団体からの批判も強まり、経営難に陥っていた。
経営者は1月、高コストやチケット販売の不振などから、サーカスは持続可能なビジネスではなくなったとして廃業を決めていた。そもそもチケット販売が低迷する中、特に名物だったゾウの見せ物を昨年廃止しして以降、集客が一層困難になっていたという。AP通信によると、一部の自治体で制定される動物保護条例なども、巡業計画の見直しが必要になるなど、事業の継続を難しくしていたという。
一方、同サーカス団の調教手法を暴くなどして抗議してきた動物愛護団体「PETA」(本部・米バージニア州)は勝利宣言した上で、他のサーカス団体にも「社会は変わり、我々は、動物を捕獲し搾取することは誤りと知っている」とのメッセージを送った。(ニューヨーク=金成隆一)