ソフトバンクの石川柊太
(4日、ソフトバンク4―0オリックス)
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六回まで、電光掲示板に記されたオリックスのヒットの数は「0」。ソフトバンク・石川の奮闘に、球場がざわつき始めた七回1死。初安打を小谷野に左前へ運ばれる。「気にせず次の打者を見て投げた」。一、二塁と広がったピンチにも動じない。T―岡田、中島を自慢の速球でねじ伏せ、飛球に仕留めた。
「相手が早めに振ってくる意識が強かったので、初球から低めを意識した」。最速151キロの直球に縦横の変化球を織り交ぜ、的を絞らせない。自己最多タイ12三振を奪った前回登板から一転、この日の三振は5個。「真っすぐが今日は走ってない」とみるや打たせて取り、七回まで無失点。めどの100球ちょうどでマウンドを降りた。
中継ぎから先発に転向して5試合目。先発陣の故障などで交流戦からローテーションの一角を任され、これで4勝目を挙げた。
自ら命名した「パワーカーブ」も効いた。創価大時代のコーチに教わったというスライダーとカーブの中間の球。以前は「スラーブ」と呼んでいたが、「抜け方がカーブっぽい」と改名。「縦のスライダーみたいな感じ。空振りもとれて決め球にもなる」と投球にアクセントをつけた。
チームの3連勝に貢献し、貯金は今季最多の23に。「後半になるとつかまるのは課題。もっと鍛えて、練習しないといけない」。謙虚に振り返る25歳が日々成長を続けている。(甲斐弘史)
○工藤監督(ソ) 「(先発の石川は)制球も良くて、バッターが的を絞りづらかったと思う。非常に良かった。本人も少しずつ先発になれてきて冷静に自分自身を見つめている。投げながら成長している」
○松田(ソ) 三回に2試合連続弾となる14号3ラン。「自分のスイングができた。いい追加点になった」