「初代中村勘三郎生誕記念像」の前に立つ中村勘九郎さん(右)と中村七之助さん=28日午後、名古屋市中村区、小川智撮影
名古屋市中村区がルーツとされる歌舞伎の大名跡、中村勘三郎の初代の生誕像が28日、中村公園(同区)でお披露目された。「中村屋発祥の地」として、同区内で襲名披露興行もした故十八代目勘三郎の長男中村勘九郎さん、次男中村七之助さんが建立記念の「お練り」をして除幕した。
お練りでは勘九郎さん、七之助さんが人力車に乗って登場。沿道に集まった人たちに手を振ると、「中村屋!」と威勢のいい掛け声があちこちから飛んだ。除幕に立ち会った勘九郎さんは「いまを生きる中村屋の一員として本当にうれしい。(初代勘三郎の)魂を引き継ぎ、一生懸命努力したい」とあいさつ。七之助さんも「中村区と中村屋の縁が深まった。中村区とともに中村屋も盛り上がっていきたい」と話した。
初代は江戸時代初期の歌舞伎役者。出自には諸説あるが、江戸後期の随筆「甲子夜話(かっしやわ)」に、現在の中村区のあたりが生誕地との記述がある。生誕像は地元有志らが寄付を募って建て、名古屋市に寄贈した。
2人は、6月1日に名古屋城二之丸広場で始まる歌舞伎公演「名古屋平成中村座」に出演する。