劇団四季のミュージカル「ライオンキング」が、16日の四季劇場[夏](東京・大井町)での初日に向けて走り続けている。スタッフは、四季劇場[春](浜松町)からJR京浜東北線3駅分の「サバンナ大移動」を無事にすませ、俳優たちは、新たなステージに向けて稽古を重ねている。その要となる存在が劇団内のまとめ役「演出スーパーバイザー」。この作品でその重責を担うのは、初代ヒヒのラフィキだ。
「大道具や『吊りもの』の搬入」の動画はこちら
(ミュージカルの匠をたどって:4)サバンナ、「夏」へ大移動
(ミュージカルの匠をたどって:5)凝った素材、手仕事の美
(ミュージカルの匠をたどって:6)自前で仕込む、おもしろい!
[夏]劇場では、新調されたメインの舞台装置プライドロックが無事搬入され、順調に動きだした。舞台の上からつり下げて、雲や太陽、樹木を表現する巨大な幕のような大道具、通称「吊(つ)りもの」も収まった。
スタッフたちが、[夏]劇場を前作「リトルマーメイド」の海の世界から、アフリカのサバンナに作り替えている頃、横浜市青葉区あざみ野にある劇団の本拠地、四季芸術センターでは、出演者らが稽古に汗を流していた。
ロングラン中も、オリジナルの舞台を作った米国ディズニーから、演出、振り付けなどの専門スタッフが定期的に来日し、舞台に磨きをかけてきたが、今回は1カ月半、改めてじっくり作品と向き合える。劇場の舞台と同じ広さがとれる芸術センターの大スタジオでは、連日、稽古が続けられてきた。
劇団内で歌やダンス、演技を一通り仕上げ、そのうえで海外から来たスタッフを迎えるのが四季のやり方だ。6月下旬まで、稽古は俳優の青山弥生を中心に進められた。この作品にいま、「演出スーパーバイザー」として携わっている。
「演出スーパーバイザー」とい…