連合の初代会長を務めた山岸章さん
労働組合の中央組織・連合の初代会長で、「55年体制」を崩壊させた1993年の非自民の細川連立政権発足にも関わった山岸章(やまぎし・あきら)さんが今月10日、死去した。86歳だった。葬儀は近親者で行った。後日、連合が「お別れの会」を開く予定。
大阪市出身。戦後、逓信省(現総務省)に入り、労働運動に身を投じた。電電公社(現NTTグループ)の労組委員長として指導力を発揮し、その後、総評と同盟で対立が続いた労働界の中央組織設立に尽力した。89年11月に連合が発足して初代会長に就いた。
政界では有力政治家とのパイプを生かし、非自民政権樹立に力を注いだ。93年の細川政権発足で、社会党など既存の野党と、自民党を離党して新生党をつくった小沢一郎氏ら各党幹部のつなぎ役を担った。94年連合会長を辞任。2000年に勲一等瑞宝章を受けた。