楽天の藤田一也
(30日、楽天13―5巨人)
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勝利の瞬間、楽天の梨田監督はにやりと笑った。球界屈指の好投手、巨人の菅野を攻略。交流戦の開幕を白星で飾った。
しっかり球を引きつけ、中堅から逆方向に流し打つ――。楽天が2点ずつ奪った一~三回に放った安打は7本。このうち引っ張ったのは一回のウィーラーの左越え本塁打と、二回の茂木の右前適時打だけだった。
力任せのスイングをしない打線にしびれを切らしたのか、菅野は球数が90球を超えて迎えた五回、明らかにボールが浮いていた。そこで試合の流れを決めたのが8番・藤田だ。2死一塁で、内角高めの144キロを引っ張り右翼席へ。昨季0本塁打だった34歳は「内角の甘い球を狙っていた。引っ張って一、三塁にできたらと思っていたけど、最高の結果になった」。
実はこの日、ベンチの指示は「追い込まれる前に、甘い球を確実に仕留めること」だった。選手からすれば、パ・リーグ同士の戦いで、何度となく言われてきた内容だ。礒部打撃コーチは「やっていたことは、これまでと変わらなかった。各選手が考えて打ってくれた」とうなずいた。
この日の練習前、梨田監督は選手やコーチを集め、交流戦の最高勝率をめざそうと活を入れた。看板通りの猛打で手にした一つ目の白星。指揮官は「弾みがつく試合だった。いい野球を続けて、勝っていきたい」と満足げに言った。(松沢憲司)
○梨田監督(楽) 「菅野から序盤だけで6得点だからね。戸村もよく投げてくれたし、いい野球だった」と笑顔。
○戸村(楽) 2番手で登板し、2回無失点で2勝目。「調子がよかったので、腕を振れば抑えられると思っていた」